お直し・お仕立て

中山和裁はお仕立ての専門店です。

本来着物とは親から子供へ受継ぐことを前提として作られているため、着物の形をほどいた上で、受け継がれた人に丁度良い着物に作り替える「仕立て直し」という技術があり、受け継がれてきました。

「仕立て直し」は着物を全部ほどいた後、湯のし、もしくは、洗い張りを行い元の綺麗な反物の状態に近づけます。そのため、着物以外にも羽織、コートなど別の形のものに仕立て直すことも可能です。

また「寸法直し」であれば、部分的にほどいて成長などに合わせて寸法を直すことも可能です。直すところとそのままのところを取捨選択できるのも「寸法直し」の優れた点といえます。

ただし、人が着るもので時間とともに劣化は免れないため、着物が古い場合や、汚れ・色焼け・スリ切れなどがあると仕立て直しのご希望にそえない場合もあります。

仕立て直しを行う前に着物の状態を丹念に目利きし、できる限りお客さまのご希望にそえるよう、いろいろ提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。

着物の制作工程

1.検品

反物にシミ・キズ・汚れ・色やけ・染めむらなどがないかを確認します。不良個所があれば糸印をして、裁ち合わせで目立たない所へ持っていけるかを検品します。

2.検反

反物、裏地、付属品の長さを測り、必要な丈があるか確認します。

3.地直し

反物にアイロンをあてます。織り方、染め方の工程で、生地の縫糸と緯糸のバランスがくずれていますので、狂いを見極めて正しい織り目、布目の状態になるようアイロンを使用し直していきます。これによって着くずれの無いようにするのが「地直し」であり、大切な工程です。

4.見積もり

着る方の寸法に反物が足りるのかを調べます。 地直しされた反物を裁板の上で、折り積りします。

5.柄合わせ

柄合わせは婦人物で最も大切な工程になります。柄裁ちによって柄が引き立ち、着る人をより美しく見せるのです。また、体形の欠点を隠し、長所を生かすように柄裁ちをしなくてはなりません。仕立て屋の技術とセンスが要求されます。

6.裁断

反物にハサミを入れる、緊張する工程です。

7.ヘラ付け

柄合わせ、裁断の出来たものを着る方の寸法になるよう、 各部分にヘラを付けていきます。縫い合わせを正確に美しく仕上げるための重要な工程になります。

8.縫い合わせ

生地と生地とのつり合いを見極めた上で、縫い合わせます。 要所、要所により微妙に生地のつり合いを工夫して、 仕立て上がりの良さ、着心地の良さを追求しております。

9.検品

寸法どおりに仕上がっているか、美しく仕上がっているかチェックし、一度目の検針をします。

10.仕上げ

非常に重要な工程であり、技術と経験を要します。 こて、アイロン、こてふとん、当て布、霧吹きなど、着物に合わせて使用します。

11.押し

特に袷(あわせ)のものは、生地を落ち着かせ、表と裏が馴染むように仕上げの余熱があるうちに押しをします。

12.総仕上げ

たとう紙に収めた上で、もう一度検針器にかけて確認します。

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